Posted on 2015年5月9日
by 河野順一
橋下氏 「大阪都」否決なら政界引退を重ねて強調(産経新聞)
民意が必ずしも正しいわけではないが、
「大阪都構想」はもとより、自らの政治生命も橋下氏は今月17日の住民投票による民意に委ねたというわけだ。
まあ、「2万パーセント出馬しない」と言っておきながら大阪府知事選に出馬している前科?があるので、
今回の発言もどこまで本気なのかはわからないが。
「大阪都構想」というが、現時点での実態は「大阪市を5つの特別区に分割する」というものである。
政令指定都市としての大阪市を大阪府(「大阪都」とは現行法では名乗ることはできない)の特別区にすることに関しては強力な反対論も多数存在する。
東京23区を「東京市」として政令指定都市にした方が、財政面でも政策の実現面でもより強力になるという意見もあるくらいなので、
はたして「大阪都構想」にどれだけのメリットがあるのかが見えにくい。
停滞する大阪経済活性化の起爆剤、腐敗と怠慢が指摘される大阪の公務員の現状にメスを入れるための突破口として「大阪都構想」の実現に賛成する向きもあるが、
それらは「大阪都構想」でなくても改革できる問題である。
「一度やらせてみたらよい」というような暴論も存在するが、「一度政権交代させてみた」結果どのようになったかを思い起こしてみると良いだろう。
もちろん、二重行政解消による無駄の削減など、「大阪都構想」には評価できる面もある。
ただ、本来的には大阪都構想のような問題は国家のグランドデザインとも係る問題だけに、
憲法改正ならびに地方自治法改正を視野に入れ、都道府県と市町村の関係、さらには道州制の導入などについて、
国政レベルで議論を重ね、幅広く国民の意見を聞き、法整備によって基盤を固めるという形で慎重に実現すべき課題であろう。
特に日本経済全体を考えた場合、東京一極集中ではなく、関西圏にもう一つ巨大で力強い経済圏を作りあげることで、
日本経済が2つの強力なエンジンを有するようにすべきである。
そのためには「大阪都構想」ですら、グランドデザインとしては小さすぎる。
「兵は拙速を聞くも、未だ巧みの久しきをみざるなり。」とはいうが、「大阪都構想」はいささか拙速に過ぎる感もある。
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