Archive for 7月 2014

河野順一と麻婆豆腐(12)

打ち合わせの後、出席者5人で「陳麻婆豆腐」で円卓を囲み会食をした。
中華のコースを頼もうかとも考えたが、気心の知れた仲間内だったので、メニューから各自の好みの料理をランダムに選ぶ。

河野順一先生

対応する店員は全員が中国人。中華料理店に来たという実感は、オーダーの際、イントネーションがずれる間合いで、いやがおうにも高まる。ワイワイ、ガヤガヤ、円卓を回しながら、お互いの料理を取ったり取られたり。これが中華料理の正しい食べ方。紹興酒やビールも料理に合う。次々と料理が運ばれ、腹がかなり幸福感に満ち始めた頃…何か物足りない。

そうだ、締めは、やはり麻婆豆腐。

河野順一といえば、麻婆豆腐。

陳麻婆豆腐

四川料理だけあって、超辛である。
一口口に含んだだけで、辛さが耳を貫通した。とても飯が無くては、二口目に手が出ない。
唐辛子のみならず、山椒の粒が辛さを持続させているのである。

ヒーヒーフーフー言いながら、ノルマ完食。
夏には唐辛子。
暑さでバテ気味の胃袋でも、食欲をそそる。
ご馳走様。
みなさん、楽しい時間をありがとう。

捨て猫を逃した警察職員ら不起訴

捨て猫3匹を畑に逃がした警察職員ら不起訴(読売新聞)

犯罪にはあたらない、ということで不起訴になったそうである。

法律論はともかく、捨て猫の行く末を思い、畑に逃してやった警察職員の方々の気持ちはよく分かる。
「情において忍びない」という言葉があるが、情け心に杓子定規を当てはめるようなことがなくて安心した。

私も、捨て猫達がたくましく生きていってくれることを願うばかりである。

「道」その4

その昔、「道」という名のイタリア映画があった。公開は50年以上前になるだろう。
旅芸人、粗野で暴力を振るうザンパノと、その手伝いで、頭が弱いが心の素直なジェルソミーナの物語。興味のある人は、是非DVDで見てほしい。
そのワンシーン、ザンパノから怒られてばかりいるジェルソミーナが、自分の能力を悲観して、綱渡り芸人にこう言った。

ジェルソミーナ・・・「私は何の役にも立たない女よ」

綱渡り芸人  ・・・「おれは無学だが 何かの本で読んだ。この世の中にあるものは何かの役に立つんだ。例えばこの石だ。こんな小石でも何か役に立ってる。」

(一昔前に流行った、SMAPの、「世界に一つだけの花」の歌詞のように、人はだれでも生きているというだけで、特別なオンリーワンということだ。生を受け、生きているということは、もちろん、意味があり、何かの役に立っているということである。)

互いに大切な人とは気づかずに、道をたがえてしまった2人。ザンパノが、ジェルソミーナとの日々を大切なものだったと気付いたのは、別れた後、彼女が一人で暮らした街に、たまたま立ち寄り、数年前に彼女が亡くなっていたことを知った時だった。「後悔先に立たず」である。

幸せは、それが手中にある時には気づかず、なくしたとき、初めて心から理解できるものなのかもしれない。
ちょっとしたボタンの掛け違えで、別々の道を進んだ二人は、永遠に離れ離れになった。
悲しく切ない音楽が、哀愁を際立たせる。

「大和魂」で豪栄道大関昇進

私が大の贔屓にしている力士、豪栄道がついに大関に昇進した。

豪栄道 きょう大関伝達式心待ち 人前でしゃべるのは苦手だけど…(中日スポーツ)

伝達式前は「人前でしゃべるのは苦手」と語っていた豪栄道だが、

豪栄道の大関昇進が決定 「これからも大和魂貫く」(朝日新聞)

このように立派な口上を披露してくれた。

大和魂

よくぞ言ってくれた!という一言である。
大相撲の現状を憂える、ファンの方々は、この一言に胸のつかえが取れたような思いがしたのではないだろうか。
豪栄道関の次なる昇進を楽しみにしたい。

(余談だが、朝日新聞に「大和魂」という言葉は似合わないと思うのは私だけだろうか…)

東海大相模が甲子園出場

2年生右腕、吉田が20奪三振の快投!東海大相模が夏切符/神奈川(サンスポ)

巨人・原監督、4年ぶり甲子園の東海大相模に喜びのメッセージ(サンスポ)

全国一の激戦区神奈川の夏を制したのは、「4枚看板」と呼ばれる140km/hを超す速球投手4人と、強力打線を擁する東海大相模だった。

「神奈川を制するものは全国を制する」

と、昔から言われているが、「事実上の決勝戦」ともいわれた準決勝で、強豪横浜高校を倒した時点で今日の勝利は決まっていたのかもしれない。
東海大相模高でかつて監督を務めた原貢元監督が亡くなって迎えた初めての夏。
甲子園出場を決めたことは、何よりの供養となるのではないだろうか。
甲子園でも大いに活躍してもらいたい。

ハーグ条約、日本の子に初の返還命令

ハーグ条約:7歳児 日本に戻すよう初の返還命令(毎日新聞)

ようやくこの4月に発効された条約で、日本の子に対する初の返還命令が、日本人同士のカップルだったとは驚きだ。
イメージとして、国際結婚が破たんした場合、いずれかの親が、自国に子供を引き連れてきた場合に適用される条約だとばかり考えていた。
しかし、日本人同士のカップルでも、国外に子を連れ移住した場合に、この条約が適用されることが大いに理解できた。

いずれにしても親の都合で、子供が不安定な立場に置かれることは極力回避しなければならない。
右を向いても左を向いても、紛争に事欠かない社会であるが故、せめて子供時代だけでも、のびのびとおおらかに育つ環境を整えてあげたいものだ。

ローラさんの父親逮捕

ローラさん父逮捕 偽造診断書に記載の住所に病院は存在せず(FNN)

国民健康保険が悪用された。
海外渡航先での治療費を給付する国民健康保険の「海外療養費制度」を悪用して現金約87万円をだまし取ったとして、タレントのローラさんの父親が逮捕されたものだ。

国民健康保険は、世界から瞠目されるわが国の皆保険制度の根幹である。各自治体が赤字財政のやり繰りに頭を痛める中、こうした制度を悪用する外国人がいると思うとやるせなくなる。

まして、人格が別であるとはいえ、こうした詐欺行為が芸能界で活動する娘の立場を悪くするのは必至だろう。
海千山千の芸能界で頑張っているローラさんを思うと、こちらもやるせなくなる記事である。

土用の丑の日

おいしいけど、資源保護も大事…土用の丑の日(読売新聞)

土用の丑の日の由来、夏に売れない鰻を平賀源内が…という説はあまりにも人口に膾炙しているので省略するが、
その平賀源内の影響力?は21世紀になっても大きいようだ。
昼食に鰻を求める人の行列が、街のあちらこちらで見受けられた。

というわけで、こんな記事も紹介しよう。

ニホンウナギ:完全養殖、コストが課題 実用化にあと一歩(毎日新聞

ニホンウナギは絶滅危惧種に指定されているとのこと。
ウナギが絶滅危惧種というのは驚きである。これまで、生態が解明されていなかったのも驚きである。
何とか、完全養殖を実用化してもらい、日本の食文化を守ってほしい。

ウナギの稚魚の話である。
養殖うなぎの稚魚はたいてい海外から輸入しているが、当初、稚魚が空輸されてきたときには8割、9割の稚魚が死んでしまっていたという。これでは、業者としても採算がとれないから、苦肉の策で、試しに稚魚の中に天敵のナマズを入れて空輸してみた。逆転の発想である。
そうしたところ、稚魚の2割はナマズに喰われてしまっていたが、残りの8割は元気そのものだったという。つまり、ナマズという天敵(障害)が、稚魚を緊張させ、生存率を上げたという意外なミスマッチとなったのである。
何とも、不思議な話である。

鰻の蒲焼きなどの、日本の伝統的食文化である鰻料理がいつまでもこの国から消えることのないよう、資源は保護していかねばならない。

水の事故を防ぐには

各地で水の事故相次ぐ 少なくとも11人が死亡(朝日新聞)

うだるような暑さに、人は涼を求める。この時期、水の事故は後を絶たず、日曜ともなれば、その数はグンと多くなり、夕方のニュースではその事実をまとめて淡々と告げている。その事故の一つ一つの裏側に人生が、人間関係があったことをあえて無視するかのように・・・。

ニュースを見ているこちら側は、「どうてそんなことをしたのか」と客観的に批評ができるものの、事故に遭われた方々はそのよう結果の招来を予想だにせず、ごくごく軽い気持ちで死出の道に踏み込んでしまったのだと思う。おそらく亡くなったことに気づいていない方も少なくないのではないか。

それゆえ、遊ぶときには結果予測をしながら、常に安全な道を選択してほしい。とくに、小さな子供の監督者である親御さんにあっては、慎重の上に慎重を期してほしいと願う。まだまだ、暑い夏は続く。

親子関係をめぐる諸問題

祖父の精子で体外受精、17年で118人誕生(読売新聞)

ますます法律が、実態に追い付かなくなる。法制定時に想定されていない実社会に対し、紛争が生じたとき法はどう解決を試みるのだろうか。法は紛争ぼっ発の抑止力であると同時に、紛争解決のよりどころである。

 先日、DNA鑑定で血縁関係が否定された場合に法律上の父子関係を取り消せるかが争われた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)は、父子関係を取り消す ことはできないとする判決を言い渡した。これも法制定当時、予想だにしなかった紛争の一である。

 民法に沿った家族関係にある方々にとっては、何が問題なのかしっくりこないと思うが、たとえば、婚姻関係にあった夫からの度重なるDVに耐えかねて、家出した女性が、離婚など到底切り出せずに年月がたち、別の男性と事実婚をしたとする。その男性との間にできた子は、戸籍上DV夫の子となってしまう為、出生届すら出すことができず、戸籍なしで苦しむ子供が少なくないという。

 こうした子供を救うためには、DNA鑑定での親子関係の判断は画期的と考えられる。しかし、妻の不貞を知らず、実の子だと思い込んで惜しみなく愛情を注いだ子が、実は他人の子だったと知った父親がいたとしよう。このときDNA鑑定で親子関係がないとの客観的事実を理由に、父親の意向を無視して画一的に親子関係を取り消した場合、まさに托卵された父親はどこにその無念をぶつけたらよいのか…。
法曹界は、もう少し知恵を出さなければならないだろう。

 

 祖父の精子で体外受精した子供達も、紛争が無ければそれに越したことはないが、相続絡みでの骨肉の争いを内包しているように思う。

 どうすることが、人々の幸福に直結するのか。個の人権を尊重しつつ、ベンサムが言うところの「最大多数の、最大幸福」の見地からよりよい回答を導くことが、法曹に課せられた命題である。

ロシアへの対処

ロシアのW杯開催剥奪を、撃墜事件で独英から声(読売新聞)

撃墜後も露からウクライナ砲撃、米が証拠写真(読売新聞)

ここへ来て西欧各国のロシアに対する姿勢が強硬なものとなりつつある。
もとを辿れば、「外交オンチ」とも言われるオバマ米大統領が効果的な対策を打てないことに起因するのだろう。
アメリカからすれば、ウクライナ情勢は「対岸の火事」かもしれないが、西欧各国からすれば、第二次大戦の悪夢すら呼び覚ます事態である。
北方領土問題を抱えた日本も、対露関係で難しい舵取りを迫られることになりそうだ。

ベネッセ原田氏の苦境

影を潜める“原田マジック” ベネッセが迎え入れた救世主が迷走(産経新聞)

日本マクドナルドを再建した原田氏。期待が大きいだけに、トップの采配に社会の耳目が向く。就任早々のドタバタ劇に、トップの精彩を欠くと酷評されている。
業界の枠を超えて、二匹目のドジョウは居るのか?
その点、JAL再建の稲盛和夫氏の業績は名高いものといえよう。氏は現在、日本航空名誉会長。また、経済成長率が低迷し、大きな経営方針の転換を迫られる中国において、その経営理念が尊重され、ブームにさえなっているという。つまり、日本で長きにわたりブレイクした経営理念が、今度は対日感情がよくない中国において認められ、訪中の際、同氏を下へも置かない待遇をしているという。
世の成功者を見ていると、実力だけで語りきれない何かがあるように思う。おそらく、それが「運」なのだろう。「果報は寝て待って」いても、なかなか訪れない。「人事を尽くして天命を待つ」、逆境に陥った際のスタンスは、やはりこれだろう。
原田氏には、現在の境遇をバネに頑張ってほしいと思う。

小さい“つ”が消えた日

小さい“つ”が消えた日

書籍の内容紹介【アマゾンから】

「大人と子どものための、言葉の妖精たちのかわいい物語。

“あ”さんはいばりんぼ、“か”さんは優柔不断…舞台はいろいろな文字たちがすむ五十音村。そんな五十音村の住人たちが楽しみにしているのは、夜のおしゃべり。その日も、みんなであつまって自慢話に花を咲かせていました。ところが、小さい“つ”には音がありません。「音がないなんて、文字じゃない」とからかわれた小さい“つ”は次の朝、姿を消してしまいます。すると、どうしたことでしょう。いらないと思っていた小さい“つ” がいなくなっただけで、「うったえますよ」が「うたえますよ」になってしまうなど日本語は大混乱に…。
ドイツから届いた、日本語の五十音をめぐるファンタジー。 」

この本で、特に面白かったのが裁判がらみ。小さい「つ」が無かったら、私たちの会話は、こんなに不自由になる。
「どうしましょうか?訴えますか?それとも訴えませんか?あなたからOKがあれば、訴えますよ。」
と弁護士が言うべきところ、先の小さな「つ」が無かったとしたならば、
「どうしましょうか?歌えますか?それとも歌えませんか?あなたカラオケがあれば、歌えますよ。」
となる。
縁の下の力持ちを馬鹿にしてはいけない。心底、そう感じた一冊である。

暑中お見舞い

猛烈な暑さ続く 熱中症に十分な警戒を(日テレNEWS24)

いやはや暑い。夏だから暑いのは当たり前だが、近年の暑さは、とにかく堪える。
地球温暖化とか、エルニーニョだとか、専門家はあれこれ言うようだが、70年近く人間やっている者にとって、経験したことが無いような体感温度である。
35度?信じがたい。もうすぐ体温と同じではないか。

昔は、夏模様は定型化していたように思う。
真夏、じりじりと太陽が照りつけても、夏の風物詩の入道雲の後には、雷雲の発生と共に夕立があり、通り雨で涼を取る。
夜は、網戸に蚊帳、除虫菊の蚊取り線香の香りと共に床に就けば、クーラー知らずの熟睡ができた。

しかし、今は防犯のため閉め切った部屋に一晩中のクーラー。雨といえば、記録的な集中豪雨。半端でない雹も降る。
朝方、乾燥した部屋、クーラーの風が当たるため、節々が痛む。体に水分が溜まったままの感覚は、朝からすっきりしない。
熱帯夜に加え、朝から30度近い気温に、クーラーは必須の品である。しかしながら、外気との差が、また、身に応える。
そうした中、少しでも、快適に過ごす工夫をしたい。ネットを駆使して、その施策を練るとしよう。
(…といっても、私はネットができないので、「歩く雑学」の筆頭秘書に知恵を借りるしかないのだか・・・。)

読者の皆さん、「暑中お見舞い申し上げます。」

「道」その3

そして再び「道」のテーマ

僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る

これは、高村光太郎の、「道程」の冒頭部分の抜粋である。

そして、同様な意味の道として、

見よ。わたしは新しい事をする。
今、もうそれが起ころうとしている。
あなたがたは、それを知らないのか。
確かに、わたしは荒野に道を、荒地に川を設ける。

がある。これは、「イザヤ43:19」、聖書からである。

どちらも、素の「生」を感じ、「躍動感」を覚える。生きているということは、何かをすることだ。
何もしなければ失敗はしないが、先駆者は手本がないだけにリスクを背負込むことに繋がりやすい。
少なくとも私は、失敗を恐れず、前向きに生きたいと思う。