「社会保険労務士とユニオンに係る、弁護士法72条違反との一考察」1

以下に、論文を掲載する。

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1 はじめに
 社会保険労務士(以下、「社労士」という。)は、社会保険労務士の一部を改正する法律(平成17年法律第62号)施行以前、
旧法23条により、業として行うか否かにかかわらず、労働争議に介入することを禁じられていたものであるが、
前記改正法が施行された後、現行法ではこの条文は削除されている。
この件につき、厚生労働省は通達(平成18年3月1日付厚生労働省基発第0301003号・庁文発第0301001号)で、
「争議行為が発生し、又は発生するおそれがある状態において、社会保険労務士は業として当事者の一方の行う争議行為の対策の検討、
決定などに参与することとなること。しかしながら、労働争議時の団体交渉において、一方の代理人になることは法第2条第2項の業務には含まれず、
社会保険労務士の業務として引き続き行うことができないこと。」と示し、
全国社会保険労務士会連合会は、「従来からの法解釈に基づき、労働協約の締結等のため団体交渉の場に、当事者の一方の委任を受けて、
当事者の一方とともに出席し、交渉することは、法第2条第1項第3項の業務に含まれ、
処分権限をもつ代理人になる等弁護士法第72条に反しない限り当然に社会保険労務士の業務である」(平成18年6月30日付)
との見解を示しており、社労士としては、事実行為の部分で代行することができるのだが、こうした代行が再び制限される方向に議論が進んでいるやに仄聞する。
 他方、個別の労働争議に際して、ユニオン(「合同労組」以下同じ)が介入するケースが多い。
ユニオンの介入行為においては、ときには使用者側の個人宅に押し掛けたり、その周辺において街宣活動または中傷ビラの頒布をしたり、
及びこれらに類する行為により、個人の私生活を破壊することならびにその恐れを抱かせる反社会的行為が散見される。
さらに、こうした反社会的行為以前に、労働者の個人加入が可能であり、かつ、報酬の規定・収受につき、弁護士法72条との関係で、それが適法なのか否かにつき、喫緊の判断を要する。

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