「社会保険労務士とユニオンに係る、弁護士法72条違反との一考察」2

2 ユニオンとは(概要)
ユニオンは、「一人でも入れる労働組合」を標榜した、個人加盟方式を採用している。
その結果、ユニオンは、加盟した労働者の労使関係に介入することになるが、
この労使紛争は、組合員個人の労働基本権の維持改善を目的とするため、実態としては個別労働紛争に属するものといえる。
そして、介入したユニオンが最終的に「解決金」などの名目で相当額の対価を組合員から入手することは、
業として、あるいは報酬を得る目的で法律的事務を処理することといえ、弁護士法72条で罰則をもって禁じられている「非弁行為」に抵触するおそれがあるといえる。

3 弁護士法72条の解釈
弁護士法72条とは、どのように解釈されるべきであろうか。
まず、押さえておかなければならないことは、なぜ弁護士法72条が排他的既判力、つまり非弁護士による法律事務の取り扱い等を排除しているかということである。
弁護士又は弁護士法人が、報酬を得る目的で他人の法律事務等を取り扱うことが許されている理由は、
①「職務を適正に為し得るだけの資格を有している」という点と、
②「職務を適正に担保する規律に服することを予定している」点にある。
資格と、職務規律による担保があるがゆえに、弁護士又は弁護士法人は他人の法律事務に介入することが正当化されるのである。
ここで注意すべきは、ただし書きの存在である。そこには、「ただし、この法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。」とあり、
弁護士・弁護士法人以外にも、①・②の要件を具備する専門家に法律事務への介入を許す余地がことを、条文上、あらかじめ規定しているのである。
この「別段の定め」に該当するものとして、司法書士法3条の簡易裁判所における訴訟代理権や、社労士法2条1項1号の4、1号の6ならびに2条3項がある。

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