4 社労士の団交参加
ユニオンの中には、社労士が団体交渉の場に参加することは、弁護士法72条に抵触するとの主張をするものもある。
しかし、その主張は誤りである。
(1)社労士の業務
社労士は、社労士法2条に掲げる事務を行うことを業とすると定められている。
同条3号には、「事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について相談に応じ、又は指導すること。」と定められており、
労働に関する法令の規定がある事項であると否とを問わず、労務管理に関する一切の事項について、
労働争議に介入することにならない限りは、団体交渉への出席、労働協約の検討などの労使関係に関する事項も、社労士が行う相談・指導の事務に含まれる範囲のものとなる。
(2)社労士が争議行為の対策の検討、決定に参与することについて
社労士は、業として当事者の一方の行う争議行為の対策の検討、決定等に参与することができる。
社労士法の一部を改正する法律(平成17年法律第62号)により、従前の法である、社労士法(昭和43年法律第89号。)第2条第1項第3号かっこ書においては、
社労士が業として「労働争議に介入することとなるもの」について相談・指導の事務を行うことができない旨規定し、同法第23条は開業社労士については業として行うか否かにかかわらず、
労働争議に介入することを禁止していたところ、改正法により、これらの規定が削除された。
つまり、この改正によって、争議行為が発生し、又は発生するおそれがある状態において、
社労士は業として当事者の一方の行う争議行為の対策の検討、決定等に参与することができることを確認されたのである。
また、全国社会保険労務士会連合会は平成18年6月30日付で「社会保険労務士法第2条第1項第3号かっこ書及び第23条の削除に伴う法解釈について」と題した“通達”を出した。
その中で、同連合会は、「処分権をもつ代理人になることは弁護士法第72条に反しない限り、当然社会保険労務士の業務である」との見解を明確にし、社労士が業務として団体交渉に出席することの正当性を明らかにしている。
□□□ランキングに参加中です□□□
□□□クリックお願いします!□□□
にほんブログ村