「北風と太陽」

有難いことに、ブログをご覧いただいている方からのご質問が相次ぐ。
先日投稿した、
「日産の新経営体制に打撃、関副COOが日本電産の新社長に」において紹介した、
日本電産創業者の永守重信現会長兼最高責任者(CEO)につき、
こんなご意見をいただいた。
「永守会長には、よき理解者が、よきサポーターがいるから、よりよい活動ができるのではないか。」と。
そのとおりである。
企業のみならず、組織を運営し、大きくするには、
それなりのブレーンや、サポーターが必要不可欠だ。
これが機械の部品ならば、資力に任せ、
壊れない品質のよい物を調達すればよい。
しかし、組織の場合は相手が意思を持つ人間だ。
トップの都合で極度に扱いが荒いと、人の心が壊れる。

では、腹心の部下が欲しい上司はどうすればよいか。
まずは、自身が、人がなりたい人間像を率先垂範すること。
その人の周りにいれば、安心できる、楽しくなる、夢を持てる、心強い。
こうしたポジティブな感情を充たす、人としての器を持ち合わせていること。
この人のためなら、命さえ惜しくないと思わせる徳を持つこと。
反対に、ブレーンや、サポーターがいない人の特性は、
人の意見に耳を傾けず、独善的であること。
日によってコロコロ言うことが変わること。
気分で怒鳴り散らし、自尊心を傷つけること。
短所ばかりに目が向き、長所を見ようとしないこと。
人のせいにばかりして、自身の言動を顧みないこと。

前者と後者、どちらに人が寄ってくるか。
異口同音、前者である。

「やってみて、言って聞かせてさせてみて、褒めてやらねば人は動かじ」
これは、連合艦隊司令長官山本五十六の名言だ。

さて、イソップ寓話に「北風と太陽」がある。
旅人の上着を脱がすのに、太陽が北風に勝ったという話だ。
この話では、温かく照らせば、人は自分から動くというもの。
効率よく人を動かすには、どうすればよいか、
確かに太陽のように、温かくみまもることは大切だ。
こと、上着を脱がすことだけに焦点を当てればこの話は大正解である。
しかし、人に上着を脱がすこと以外の
他の行動をさせるためには、温かさだけでは足りない。
時には、雨が降り、雷が落ち、風の日もあるからこそ、
人はより一層、太陽の恵みを有難く思うのだ。
その太陽も、灼熱ではたまらない。
トップは、采配を上手にしなければならない。
人は、感情の動物だ。
人は、自身が必要とされることを実感できる人のそばで、
人生を過ごしたいと思うはずだ。
一度きりの人生、誰しも終始罵詈雑言の環境に身を置きたくない。
少なくともトップは、ここを抑え、上手に人を動かしてもらいたい。

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