高村幸太郎と道程

昨日に続き、高村幸太郎と道程である。

「僕の前に道はない
僕の後ろに道はできる
ああ、自然よ
父よ
僕を一人立ちにさせた廣大な父よ
僕から目を離さないで守る事をせよ
常に父の氣魄を僕に充たせよ
この遠い道程のため
この遠い道程のため」
高村幸太郎 【道程】より

道程は、最初の2行がよく引用される。
なんと自信に満ち溢れ、不遜とでもいう絶対的な決意を感じる。
しかし、それは少々違う。
後半の行間をよく読んでほしい。

これは、自分の決意とともに、父親に対する賛美の詩である。
血気盛んな若者の、行くべき道は見えている。
目標は、そんじょそこらで達成できる小さなものではない。
誰もが通ったことのない道を、今、自分がその一歩を踏み出す。

しかし、それは無謀な挑戦かもしれない。
畏れにひれ伏したくなる心境になる。
不安に押しつぶされそうになる。
しかし、自分は父の子ではないか。
自分は、愛してやまない、尊敬する父が、
懇親込めて世に送り出してくれた傑作ではないか。
最後まで、やり遂げるまで、自分を鼓舞してほしい。
目的を達成するまで、傍で見守っていてほしい。
愛してやまない、尊敬するあなたに…。

といった、父への讃頌に聞こえる。
ちなみに、高村幸太郎のご尊父は、彫刻家の高村光雲である。
氏の作品は、どれをとっても気迫があり、
魂が宿っているといっても過言ではない。
上野の恩賜公園にある西郷隆盛像は、誰もが知っている彼の代表作だ。
今にも動き出しそうな作品の数々を生んだ父は、
同時に、子供たちも秀逸な作品に仕上げた。
この親してこの子あり…。

改めて、「道程」は奥深く、親子の情愛を素直に表した作品であると、
独りごちた次第である。

□□□ランキングに参加中です□□□
□□□クリックお願いします!□□□


社会保険労務士 ブログランキングへ </a><br /><a href=社会保険労務士 ブログランキングへ

Comments are closed.