揺れる700年の伝統 三重・桑名の「上げ馬神事」は動物虐待か(産経新聞)
まずは、「伝統」と「文化」の違いから。
「伝統」とは、
「ある民族や地域などでで、長い歴史の中で伝えてきた信仰や風習、
しきたりや制度などのこと、それらを受け継ごうとする精神」をいう。
他方、「文化」とは、
「人間が関わることで形成してきた環境」
「衣食住や技術・学問・芸術・道徳・宗教・政治など、生活に関わるもの全て」をいう。
今回の「人権」ならぬ「馬権」は、前者になる。
時代とともに、人々が良しとする価値観が変わる。
よって、その価値観が変わる中で、伝統に修正が加えられることはある意味、当然といえる。
現代において、動物愛護の精神が「良い」か「悪い」か
という視点に立った時、
「悪い」という人はいないだろう。
それでは、食「文化」の中で、動物愛護の観点から、
「ステーキを食すことは悪だ」「フライドチキンは動物愛護に反する」
になるかといえば、「いたしかたない」として是認しているのではないか。
要は、人を中心にして、どちらの方向性がより自分たちにとって有益かの判断に落ち着く。
さらに文化も、異なる文化、
つまり一般的か、限定的かの判断により、その有益性の判断が変わる。
その好例が、「鯨」だ。
食「文化」として根差している我が国にとって、
「鯨」は食材であり、動物愛護の対象外だが、
食の風習がない欧米各国にあって、それは対局の位置づけである。
よって、今回の騒動も、神事を継続する必要性を考えると、
どうやらその他大勢の意見が勝り、
廃止の方向に向かう公算が高いと思われる。
「伝統」と「文化」のはざまにあって、
要は、最大多数の最大幸福、人間のご都合主義によるということに尽きる。
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