母を捨てるということ

母を捨てるということ(おおたわ史絵 著)

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あらすじ…アマゾンから
「異常なほど娘に執着した母親。
幼い頃から常に母の機嫌に振り回され、常に顔色をうかがいながら育ってきた。
やがて母は薬物依存症に陥る。

「いっそ死んでくれ」と願う娘と「産むんじゃなかった」と悔やむ母。
母に隠されたコンプレックス、そして依存症家族の未来とは。
医師として活躍する著者の知られざる告白。」

一気に読んでしまった。
著者の知られざる人生に、深く共感した。
想像を絶する半生を送ってきた中、
よく、道を踏み外さず、医師になり、今日の活動をされていると思う。
偏に、感動である。
ヤングケアラーの存在が明らかになって久しいが、
彼女がそれを担っていた頃、その概念すらなかったのではないだろうか。
医師の父にしても、薬物依存の母に対して、正しく向き合うことができず、
仕事と、妻の対応に日々疲弊していた。

これは、著者一家の歴史にとどまらず、
依存症に苦しむ、数多の本人・家族の参考となる良書である。
家族が依存症になったとしたら…
なかなか相談できるシステムがない。
未だもって、「依存症」は社会の問題ではなく、
個人の問題であり、家族でケアすべき課題であるとの位置づけがされている。

「依存症」のみならず、「痴呆」、「DV」、「ひきこもり」、「メンタル」、
これら、誰の身にも起こりうるリスクである重大課題に、
法も、政治も、後追いばかりで、現実に追いついていない。
社会がうまく機能していない。

著者は、自身の体験をもとに、社会のスキーム改善を訴える。
薬物依存にしろ、アルコール依存にしろ、
「依存症」患者の特徴を6つにまとめる。

1 自己評価が低く、自分に自信が持てない
2 人を信じられない
3 本音を言えない
4 見捨てられる不安が強い
5 孤独でさみしい
6 自分を大切にできない

誰もが多かれ少なかれ持ち合わせる、心の負の部分である。
その強弱が、依存症に向かわせるか、阻止できるかの要ではないか。

人は誰しも平等であるべきだが、
生まれた環境、生育環境、もって生まれた身体的特性など、
差が生じるのは周知の事実である。

よって、負とされる部分を、いかに不屈の肯定感をもって凌駕できるか、
すなわち自己肯定感を強めて、幸せをつかめるかが、
その人の人生の課題であり、試練である。

そして、その頑張りに寄り添い、後押しをするのが、教育であり、
社会的なセーフティーネット網の拡充である。

今、不足していることを一足飛びに解決するのは不可能であるが、
人々が前向きに、成熟した社会を目指す、意識を持つことが肝要だ。

著者の勇気ある告白に、心が揺さぶられる。
現状認識のうえで、
同じ悩みを持ち人が多いことを共感でき、救われた人も多いと思う。

強く思う。「依存症」を、個人と、家族の問題にしてはならない。

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